呼んでいる
もしもあの光るものと この夜のにおいが
なにか糸で縫ってあるのなら
30年の隔たりをほじりかえす研ぎ石を呼び
闇夜にハサミを入れるだろう
もしもあの光るものと この夜のにおいが
なにか糸で縫ってあるのなら
30年の隔たりをほじりかえす研ぎ石を呼び
闇夜にハサミを入れるだろう
雨よ、来ないで!
空をにらんで
それと薔薇にぱたぱたうちわをかけ
いい香りを屋根につけておいた
だからあたしの家だけ濡れてない
表に記すとすれば
昨夜は八十五で
今夜は二十一ってとこだ
うえからかけた
いつも !!
あいてしまうから
一番うえだ
いちばん星だ!
そしたら下があく、
どちらもかわらなかった。
おしまい。
函館が入ったかばん
白人新聞が読める
雨粒と半袖は相性が笑えた
遠い街に行くの?
あたしは行かない
寒いのは家があるからだ
約束をとっておいた
なるべく蕾が膨らまぬよう
ブルーの食紅で嘘が咲いた
何事もない朝を望んでいるのだ
だから約束をとっておく
濡れぬ夜は跨ごうにも
実体がない臓器
あなたは動かす気があるのやら
ブルーの臓器は触れぬうち
血は一体どこへ
あらゆるものは夜と昼の同じベランダ
きみはどうすることもできない排水口に住む
薄皮が日々沈没し
もうまもなく皮膚となるだろうに
あたしはそれでも乞う
人間味を計りなしに示すのだが
足音だけがそれを賞賛した
材料またピンチ!
あたしとは別の世界にいってくれたらいいのに
不思議なことに
誕生日は毎年きてしまう。
だって
輪ゴムの上を歩くと、また同じところに戻ってしまうって。
なんて素敵なひねくれ者!
傘は身代わり
街をうろつき陽を浴びた
ありふれたあり得にくい世界
自分人形を籠に乗せ
一生をお迎えで使い果たす
傘は身代わり
裸はいつも欲しい欲しい
涙を空にはじいたら
そのままおちて浴びるはめ
唾を空に飛ばしたら
そのままおちてかかるはめ
睨みを空にぶつけたら
そのまま瞳が焼ききれた
雀をシャッターが五、六枚刻む
なぜなら地上に一番近い部屋
あたしは毎日五、六枚
足元の夜空と雀を見るだけ
昨晩は彼女の猫に引っかかれず
あたしの身体は跡をつきそこねた
四角に丸ははまらない
巨大空雲(からぐも)ワンルームに浮かぶ
水桶がいい
そうだ水桶がいい
愛を舌で触れてみたい
冷たいのならそれでいい
カーテンが今日呼吸する
家が生きた
五枚、六枚、早足、百足脚
ここは急ぎ虫のスミカじゃない